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アフガニスタン国カンダハール市における「安全・安心な出産」促進事業

特定非営利活動法人 カレーズの会

対象地域

アフガニスタン:カンダハール県カンダハール市第5地区アイノ・メーナ1通り1番地

背景

アフガニスタンでは、保健施設で出産する女性は33%に過ぎない。合計特殊出生率や妊産婦死亡率から計算された「生涯に妊娠や出産で死亡するリスク」は「49人に一人」と、日本(12,100人に一人)の247倍にのぼる(ユニセフ世界子供白書2015)。この一因として、保健施設での出産が39%、専門技能者が付き添う出産が33%と、3割近い人が専門知識を持つ技能者の介助を一切受けずに出産していることが考えられる。

実施団体は、2008年に外務省草の根無償資金協力を受けて診療所を建設し、運営している。この診療所が所轄するアフガニスタン・イスラム共和国カンダハール県カンダハール市第5地区には、約4万5,000人の住民が住む。診療所では女性が安心して出産ができるよう、分娩設備を備えている。一方で、地域住民の要望が強い夜間の出産には、予算や人員不足から対応する事が難しい状況であった。診療所に勤務する3名の助産師・女性看護師及び2名の女性用務員が自発的に申し出て、2015年8月より試験的に夜間への対応を開始した。助産師・女性看護師及び女性用務員は、夜勤手当もないボランティアとして交替で夜間勤務に従事している(女性用務員はアシスタントとして、助産師や看護師をサポートする役割を負う)。試験的な「夜間の出産」を開始した2015年8月から11月までの4カ月に診療所で行われた出産は49件であった。その内の18件(36.7%)が夜の時間帯での出産であり、夜間を含む診療所の出産体制の強化が求められている。

カレーズの会がアフガニスタン国のカンダハール市で運営する診療所は分娩設備を備え、経験豊かな助産師や女性看護師、ボランティアの女医が「安全・安心な出産」の為に活動している。この活動を夜間を含め充実させ、「安全・安心な出産」の啓発活動に取り組むと共に、次の活動を行う。

目的

1.地域の女性が夜間を含めて安心して赤ちゃんを産める体制を強化する
2.安全・安心な出産」を、人材育成を含み事業化し継続して実施する
3.診療の待ち時間等を活用して、「安全・安心な出産」の啓発活動を推進し、診療所での
    出産件数を増やす


事業内容

1.人材育成
人材育成(助産師または女性看護師、出産介助補佐の女性用務員を増員、育成)

2.出産体制の整備
診療所での出産体制の整備(件数増加、夜間出産の事業化)

3.啓発活動
啓発活動(資料作成と、診療待ち時間の啓発)