ブータンの伝統的な暮らしと農を活かした脳卒中患者支援プロジェクト
一般社団法人Think Locally Act Globally
対象地域
ブータン:モンガル県およびタシガン県
背景
脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳細胞が壊死する疾患で、半身麻痺、言語障害、意識障害などを引き起こす。非感染性疾患の死亡原因として2番目、障害原因として3番目に重要とされる。首都ティンプーのJDWNRH国立病院では1日約1〜3人の患者が報告され(政府統計はなし)、現地のJICA保健関係者は、塩分の高い食事、運動不足、定期健診の未受診が脳梗塞の要因と指摘している。ブータンでは脳卒中に対する国民の認識が低く、発症後4時間半以内に適切な診察・治療を行えば重い後遺症を抑えられるが、理解不足により病院到着が遅れがちである。特に山間部の東部地域では医療アクセスが悪く、適切な治療が困難である。また、障害や病気を「前世の悪事」によるものとする伝統的な考えが地方を中心に残っており、患者と家族は経済的・社会的・精神的に大きな負担を抱え、孤立することも多い。障害者政策への予算は限られ、リハビリ施設は国内で絶対的に不足している。病院以外で脳卒中患者を支援する団体もほとんどない。
農業リハビリテーションは身体的・精神的・社会的ウェルビーイングに効果があるとされ、日本や欧米で導入されている。日本では京都大原記念病院が約10年前から「グリーンファームリハビリテーション」を実施している。実施団体は2023年8月に現地団体とMoUを締結し、同病院と協力してブータンでの農業リハビリテーション導入を開始した。現在、国内4県で51人の脳卒中患者に実施している。2025年11月にはティンプーでシンポジウムを開催し、患者や家族、医療・農業関係者ら約40人が参加した。
今後は農業リハビリテーションを基盤としつつ、「ブータンの伝統的な暮らし」を活かし、在宅・コミュニティベースで脳卒中患者へのリハビリを効果的に進めることを目指す。
事業内容
1. 脳卒中の症状・予防、発病の際の対応方法についての理解促進
(2県の患者40人とその家族200人を対象)
2.農を生かしたリハビリテーション指導(同上)
3.リハビリテーション活動拠点「ファームハウス」設置準備





