インドラサロワール農村自治体で教育の質を高めるためのプログラム
対象地域
ネパール:バグマティ州マクワンプール郡インドラサロワール農村自治体
背景
ネパールでは就学率は向上しているものの、学習の質、地域格差、財源不足、教員の質といった課題が残っている。特に農村部や貧困地域では教員の指導力不足が深刻で、教育の量から質への転換が求められている。政策実施には地域の実情に即した対応が必要だが、地方行政のみで具体的計画を推進することは難しい。
実施団体は現地NGOと20年にわたり協働し、中間山地で住民主体の教育・生活基盤整備を支援してきた。前事業(15年間)で成果を上げたカブレ郡ロシ地域に続き、インドラサロワール農村自治体(IRM)では2021年から質の高い教育に特化した5カ年計画を実施している。
IRMは首都カトマンズから車で約3時間の中間山地に位置するが、教育が著しく遅れている。僻地手当がないため教師が集まらず、定着率や質も低いこと、保護者の教育への関心が十分でないことが要因である。その結果、生徒の学力は低く、進学・就職に影響するSEE(中等教育修了試験)の合格者も少ない。成績不振から将来に希望を持てず、若者のうつ病や自殺も増加している。
現地NGOは学校運営委員会や行政と協議し、地域ニーズに即した教育の質向上プログラムを実施してきた。理科・数学への苦手意識を克服するための実践的授業や「サイエンス・エキシビション」、心理社会的課題に対応するカウンセリング研修、保護者向けワークショップ(累計1,000人参加)、うつ病・自殺防止研修(養護教諭・教師対象)などを行っている。その結果、生徒・保護者の意識や行動の変化、SEE成績の向上などの成果が見られ、IRM行政からも高い評価を得ている。2025年に5カ年計画の最終年度を迎えたが、未支援地域への展開と既存地域での継続・定着が引き続き必要である。
事業内容
1. 理科・算数/数学モデル授業の実施(基礎学校14校を対象)
2. 基礎学校・中等学校におけるサイエンス・エキシビジョンの実施(6校を対象)
3. 保護者教育講座(6校の保護者を対象)
4. 心理社会的カウンセリング研修・フォローアップ研修
(学校看護師・保健教師、保健所職員が対象)





